犬猫は飼い主さんの声を聞き分けている?|声色から受け取っていること
帰宅して「ただいま」と声をかけると、別の部屋にいた愛犬・愛猫が顔を出す。電話越しの声には反応するのに、ほかの人の声には動じない。そんな姿を見ると、「この子は私の声を分かっているのかな」と感じることがあります。
犬や猫は、人の声の高さ、音色、話す速さ、言葉の並びなどを聞き分けています。研究でも、犬猫が飼い主さんの声と、知らない人の声を区別できることが示されています。
この記事では、犬猫が飼い主さんの声から受け取っていること、犬と猫で反応が違いやすい理由、毎日の声かけをもっと安心につなげるヒントを紹介します。
犬猫は、声の「音の個性」を聞いています
同じ「おいで」という言葉でも、声の高低、やわらかさ、話す速さ、独特のくせは、人によって少しずつ違います。
犬や猫は、言葉の意味だけではなく、こうした声の特徴を手がかりにしています。いつもそばで暮らす飼い主さんの声は、ごはん、散歩、遊び、なでてもらうこと、休む時間など、たくさんの出来事と一緒に聞こえてきます。
そのため声は、単なる音ではなく、「安心できる人が近くにいる」「いつもの時間が始まりそう」と感じるための、暮らしの一部になっていくのかもしれません。
犬は、声色と場面を合わせて受け取ります
犬は、飼い主さんの声と知らない人の声を聞き分けることができます。また、言葉の音だけでなく、明るい声か、落ち着いた声か、少し急いだ声かといった声色からも、多くの情報を受け取っています。
たとえば、やさしく高めの声で呼びかけられた時には、しっぽを振ったり近づいたりする犬がいます。一方、低く強い声や、緊張した声に反応して、少し距離を取る子もいます。
ただし、犬は声だけを聞いているわけではありません。飼い主さんの表情、姿勢、手の動き、視線、その場の空気を合わせて、「今、何が起こりそうか」を考えています。
だから、同じ言葉でも、うれしそうな表情で言う時と、急いで注意する時とでは、犬の反応が違って見えることがあります。
猫は、来なくても聞き分けていることがあります

猫も、飼い主さんの声とほかの人の声を聞き分けることができます。
ただし、声を聞き分けていても、呼ばれるたびに近づくとは限りません。耳が動く、顔だけこちらへ向く、しっぽの先が揺れる。そんな小さな反応でも、「聞こえた」と受け取っていることがあります。
猫にとっては、飼い主さんの声が聞こえたことと、「今すぐ行く」ことは別です。声の主が誰かを分かっていても、今は眠い、外を見ていたい、もう少しここにいたい。そんな猫なりの選択があるのかもしれません。
近づいてこないからといって、声を覚えていない、飼い主さんに関心がないということではありません。
録音や電話の声にも反応する?
録音した声や電話越しの声に、耳を動かしたり、声がする場所を探したりする犬猫もいます。
一方で、いつもの声なのに、姿もにおいもないことに戸惑ったり、反応しなかったりする子もいます。犬猫は声だけでなく、見た目、におい、足音、部屋の気配など、複数の情報を合わせて飼い主さんを感じ取っているためです。
反応の有無だけで、「声を分かっている」「分かっていない」と決める必要はありません。その子が普段どのように飼い主さんを感じ取っているかには、個性があります。
名前より、声の調子に先に反応することも
犬猫へ呼びかける時、私たちはつい「言葉を分かってくれるか」に目を向けがちです。でも実際には、名前や言葉より先に、声の調子から「うれしそう」「いつもと違う」「こちらを見てほしい」と受け取っている場面もあるでしょう。
毎日の呼びかけでは、特別な話し方をする必要はありません。愛犬・愛猫が落ち着ける、飼い主さんらしい自然な声で、短くやさしく伝えることが大切です。
名前を呼んでこちらを見たら褒める。落ち着いている時に穏やかに声をかける。そんな積み重ねが、声を聞くと安心できるという経験につながっていきます。
声をかけても反応が変わった時は
今まで聞き慣れた声に反応していたのに、急に振り向かなくなった、大きな物音にも反応しにくい、寝ている時に呼んでも気づかない。こうした変化が続く時は、「呼んでも来ないだけ」と決めつけないでください。
加齢による聴力の変化、耳の炎症、痛みや体調不良、視力の変化、認知機能の変化などが関わることがあります。反応の変化に加えて、耳を気にする、頭を振る、ぶつかりやすくなった、夜の落ち着かなさなどがあれば、動物病院へ相談しましょう。
まとめ|声は、毎日を一緒に過ごしてきたしるし
犬猫は、飼い主さんの声の高さ、音色、話し方を、ほかの人の声と聞き分けていると考えられます。
犬は声色、表情、動きを合わせて受け取り、猫は聞き分けていても自分のタイミングで反応することがあります。どちらも、人と同じ言葉の理解とは違うかもしれません。それでも、いつもの声には、ごはんや散歩、遊び、安心して眠る時間など、毎日の思い出が重なっています。
何気なく「おはよう」と呼びかけることも、「ただいま」と伝えることも、その子に届いているのかもしれません。声を通して重ねてきた時間を、これからも大切にしていけるとうれしいです。
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