ドッグフード・キャットフードの選び方ガイド|原材料表示の読み方と注意点
「うちの子に合うフードって、どうやって選べばいいの?」
ペットショップやオンラインストアには、たくさんのフードが並んでいます。パッケージには「グレインフリー」「ヒューマングレード」「無添加」「総合栄養食」……と聞き慣れない言葉がズラリ。
どれも良さそうに見えるけれど、結局どこを見て選べばいいのかわからない——そんな経験はありませんか?
実は、ペットフードのパッケージには飼い主さんが知っておくべき情報がぎっしり詰まっています。原材料の表示ルール、成分表の読み方、よく目にするキーワードの本当の意味。これらを知っているだけで、フード選びの「迷い」がグッと減るはずです。
この記事では、犬と猫のフード選びの基本から、原材料表示の読み解き方、よく聞くけれど意外と正しく理解されていないキーワード、そしてライフステージ別の選び方のポイントまで、できるだけわかりやすく解説していきます。
「なんとなく」で選んでいたフード選びを、今日から「納得して」選べるようになりましょう。
ペットフードには「ルール」がある:まず知っておきたい基本のき
ペットショップやスーパーなどに並んでいるペットフード。実は、人間の食品と同じように、法律やルールに基づいて製造・販売されていることをご存じでしょうか?
ペットフードの安全に関する法律
日本では、2009年に施行された「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(通称:ペットフード安全法)によって、犬と猫のペットフードの安全基準が定められています。この法律では、有害な物質を含むペットフードの製造・販売の禁止や、製造業者・輸入業者の届出義務、製品の表示基準などが規定されています。
つまり、日本で販売されている犬猫用ペットフードは、一定の安全基準をクリアしているということです。ただし、この法律だけですべての品質が保証されるわけではないので、飼い主さん自身がパッケージの表示を読み解く力を持つことも大切です。
「ペットフードの表示に関する公正競争規約」とは
法律のほかに、ペットフード業界の自主ルールとして「ペットフードの表示に関する公正競争規約」があります。これはペットフード公正取引協議会が定めたもので、消費者(飼い主さん)が誤解しないよう、フードのパッケージに記載すべき項目やルールを細かく決めています。
この規約に基づいて、原材料名や成分、原産国名、給与方法などがパッケージに表示されることになっています。つまり、パッケージの表示は「なんとなく書いてあるもの」ではなく、ルールに沿って記載されている重要な情報なのです。
パッケージの「必須表示」を読んでみよう
ペットフードのパッケージには、公正競争規約に基づいて表示が義務付けられている項目があります。ここでは、それぞれの項目が何を意味しているのかを見ていきましょう。
①ペットフードの名称
商品名とは別に、そのフードが犬用なのか猫用なのかがわかる名称が記載されています。「犬用総合栄養食」「猫用間食」などの表記がこれにあたります。
②目的(フードの分類)
ペットフードは、公正競争規約に基づいて目的によって以下のように分類されています。
総合栄養食は、そのフードと新鮮な水だけで必要な栄養素をバランスよく摂取できるように設計されたフードです。毎日の「主食」として与えることを想定しています。総合栄養食と表示するためには、ペットフード公正取引協議会が定める基準に沿って、犬・猫に必要な栄養バランスを満たすよう設計されている必要があります。栄養基準の考え方として、AAFCO(全米飼料検査官協会)のガイドラインが参照されることもあります。
※AAFCOはフードの認証や承認を行う機関ではなく、栄養基準のガイドラインを策定する団体です。「AAFCO認定」「AAFCO承認」といった表現を見かけることがありますが、これは正確な使い方ではありません。
間食は、いわゆる「おやつ」「スナック」にあたるものです。しつけのごほうびやコミュニケーションのために与えるもので、1日に必要なカロリーの10〜20%以内(できれば10%以内)に抑えることが推奨されています。
その他の目的食は、上記に分類されないフードで、特定の栄養の調整やカロリーの補給、嗜好性の増進などを目的としたものです。「一般食」「栄養補完食」「副食」などの名称で表示されることもあります。これらは単独では栄養が偏るため、総合栄養食と組み合わせて与えるのが基本です。
| 分類 | 役割 | 単独で主食にできるか |
|---|---|---|
| 総合栄養食 | 毎日の主食(水と一緒に) | ○ |
| 間食 | おやつ、ごほうび | × |
| その他の目的食 | 嗜好性の増進、栄養補完など | ×(総合栄養食と併用) |
療法食について: 上記の3分類とは別に、「療法食」と呼ばれるフードがあります。これは公正競争規約上の分類には含まれない、特別なカテゴリーです。特定の病気や健康上の問題に対応するために、栄養バランスを特別に調整したフードで、必ず獣医師の診断と指導のもとで購入・使用してください。自己判断でネット等で購入したり、定期的な診察を受けずに漫然と与え続けたりすると、かえって健康を損なう危険があります。
③原材料名
フードに使われている材料が表示されています。この項目は非常に重要なので、後ほど詳しく解説します。
④賞味期限
未開封の状態で適切に保存した場合の品質保持期限です。開封後はこの限りではないので、早めに使い切ることが大切です。目安として、ドライフードは開封後1ヶ月〜1ヶ月半程度、ウェットフードは冷蔵保存のうえ1〜2日以内に使い切るのが理想です(保管環境や季節によって前後しますので、メーカーの表示がある場合はそちらを優先してください)。
⑤原産国名
フードが最終的に加工された国が表示されます。ここで注意したいのは、原材料の産地ではなく「最終加工国」であるという点です。たとえば、原材料はニュージーランド産の肉を使っていても、最終的にオーストラリアの工場で製品化されていれば、原産国は「オーストラリア」と表記されます。
⑥事業者名と住所
製造業者または販売業者の名称と住所が記載されています。何か気になることがあったときの問い合わせ先にもなります。
⑦成分(保証分析値)
フードに含まれる主な栄養成分の割合が記載されています。これも後ほど詳しく説明します。
⑧内容量
グラム(g)またはキログラム(kg)で表示されます。
⑨給与方法
体重別の1日あたりの推奨給与量が記載されています。ただし、これはあくまで目安です。実際の適量は、年齢、活動量、避妊・去勢の有無、体型などによって変わりますので、愛犬・愛猫の体重の変化を見ながら調整していくことが大切です。
原材料表示の読み方:ここを見れば中身がわかる

フード選びでもっとも重要なパートのひとつが、原材料表示の読み方です。ここを理解できるようになると、「このフードは何から作られているのか」がしっかり見えてきます。
原材料は「多い順」に書かれている
ペットフードの原材料は、原則として使用量の多い順に記載されています。つまり、最初に書かれている原材料がそのフードの「主役」と考えてよいでしょう。
たとえば、原材料の先頭に「鶏肉」や「サーモン」と書かれていれば、そのフードは動物性タンパク質が主体であることがわかります。逆に、先頭が「とうもろこし」「小麦粉」などの穀物である場合は、穀物がメインのフードである可能性が高いと言えます。
犬は雑食寄りの動物、猫は完全肉食動物ですので、特に猫のフードでは動物性タンパク質が原材料の上位に来ているかどうかを確認するとよいでしょう。犬のフードでも、品質の高いものは良質な動物性タンパク源を主原料としていることが多いです。
「〇〇ミール」「〇〇エキス」って何?
原材料表示を見ていると、「チキンミール」「フィッシュミール」「〇〇エキス」といった表記を目にすることがあります。
「〇〇ミール」 は、肉や魚をレンダリング(加熱して脂肪を除去する加工)した後に乾燥・粉砕したものを指します。ミール自体は珍しい原料ではなく、乾燥させて粉末にしているぶん、生肉よりもタンパク質含有量が高い場合もあります。ただし、具体的にどの部位が使われているかは製品によって異なるため、メーカーの情報開示の姿勢を確認することが参考になります。「チキンミール」のように動物種が明記されているものの方が、「家禽ミール」「肉類ミール」のような曖昧な表現よりも、何が使われているかがわかりやすいと言えます。
「〇〇エキス」 は、特定の原料から抽出した成分のことです。「チキンエキス」「酵母エキス」などは風味付けの目的で使われることが多いです。
添加物の表示について
ペットフードには、品質を保つための保存料や酸化防止剤、色や形を整えるための着色料・増粘剤、栄養を補うためのビタミン・ミネラル類など、さまざまな添加物が使用されることがあります。
添加物と聞くと不安に思う方もいるかもしれませんが、ペットフード安全法では使用できる添加物の種類や量に基準が設けられています。すべての添加物が「悪いもの」というわけではなく、フードの品質を保つために必要な役割を果たしているものも多くあります。
一方で、「できるだけ添加物の少ないフードを選びたい」という飼い主さんの気持ちも自然なことです。その場合は、原材料欄の後半に記載されている添加物の種類を確認し、気になるものがあればメーカーに問い合わせてみるとよいでしょう。近年は、ローズマリー抽出物やミックストコフェロール(ビタミンE)など、天然由来の酸化防止剤を使用するフードも増えています。
よく聞くキーワード、正しく理解していますか?
ペットフードのパッケージやウェブサイトでよく目にするキーワードの中には、なんとなくイメージはわかるけれど、正確な意味を知らないまま使っている言葉もあるのではないでしょうか。ここでは、特に誤解されやすいキーワードを取り上げます。
「グレインフリー」=穀物不使用
「グレインフリー」とは、小麦やとうもろこし、米などの穀物を使用していないフードのことです。穀物アレルギーのある犬猫にとっては有効な選択肢のひとつです。
ただし注意したいのは、「グレインフリー=炭水化物ゼロ」ではないという点です。穀物の代わりに、じゃがいもやさつまいも、えんどう豆、レンズ豆などが使用されていることがほとんどです。穀物を使っていないからといって、自動的に「低炭水化物」になるわけではありません。
また、「グレインフリー=すべての犬猫に最適」というわけでもありません。穀物にアレルギーがなく、消化に問題がなければ、穀物を含むフードでも栄養的には問題ないケースが多いです。「うちの子にグレインフリーが必要かどうか」は、アレルギーの有無や体調を基準に判断するのがよいでしょう。気になる場合は、獣医師に相談してみてください。
「ヒューマングレード」
「ヒューマングレード」は、「人間が食べられるレベルの品質の原材料を使用している」という意味で使われることが多い言葉です。飼い主さんにとっては安心感につながるキーワードですよね。
ただし、この言葉には注意点があります。日本のペットフードの法律や公正競争規約の中で、「ヒューマングレード」という用語には明確な法的定義や基準があるわけではありません。つまり、何をもって「ヒューマングレード」とするかは、メーカーの自主的な判断に委ねられている部分があります。
もちろん、原材料の品質に真摯にこだわっているメーカーはたくさんあります。「ヒューマングレード」という言葉だけで判断するのではなく、具体的にどんな原材料をどのように調達しているか、メーカーの公開情報や姿勢もあわせて確認するとよいでしょう。
「無添加」「ナチュラル」
「無添加」も非常によく見かける表現ですが、「何が」無添加なのかがポイントです。「着色料無添加」「人工保存料無添加」など、特定の添加物について無添加である場合と、添加物全般を使っていない場合があります。パッケージをよく読んで、具体的に何が無添加なのかを確認しましょう。
「ナチュラル」も同様に、法的に厳密な定義が定められていない言葉です。一般的には「化学的に合成された原材料や添加物を使用していない」というニュアンスで使われることが多いですが、解釈はメーカーによって異なる場合があります。
「オーガニック」
「オーガニック(有機)」は、化学合成された農薬や化学肥料を使わずに栽培された原材料を使用していることを意味します。人間の食品では、日本では有機JAS認証が基準となっていますが、ペットフードでは、人間の食品と同じ形で一律に「オーガニック」を整理しにくい面があります。
海外のオーガニック認証(USDAオーガニック、EU有機認証など)を取得しているフードもあります。オーガニックにこだわりたい場合は、どの認証基準に基づいているかを確認するのがひとつの目安になります。
犬と猫のフード、何が違うの?

犬と猫を一緒に飼っている方や、フードを兼用できないかと考えたことがある方もいるかもしれません。でも実は、犬用フードと猫用フードは栄養設計がまったく異なります。
猫は「完全肉食動物」、犬は「雑食寄り」
「犬と猫はこんなに違う!」でも触れましたが、猫は進化の過程で完全な肉食動物として発達してきました。一方の犬は、オオカミから人間のそばで暮らすようになる過程で、穀物や野菜なども消化できる雑食寄りの食性を持つようになりました。
この食性の違いが、フードの栄養設計に大きく反映されています。
猫に犬用フードを与え続けてはいけない理由
猫には、体内で十分に合成できないために食事から摂取する必要がある栄養素がいくつかあります。その代表がタウリンというアミノ酸です。タウリンが不足すると、猫では心臓病(拡張型心筋症)や視力の問題など深刻な健康障害を引き起こす可能性があります。
猫用フードにはタウリンが十分に含まれるよう設計されていますが、犬用フードではタウリンの添加量が少ないか、含まれていないこともあります。犬は体内でタウリンをある程度合成できるため、犬にとっては必須の添加ではないからです。
また、猫は犬よりも多くのタンパク質を必要とします。犬用フードのタンパク質量では、猫の栄養要求を満たせない場合があります。
犬が猫用フードを食べ続けると?
逆に、犬が猫用フードを食べ続けた場合はどうでしょうか。猫用フードは犬用と比べてタンパク質と脂肪分が多い傾向があります。犬が日常的に猫用フードを食べていると、カロリーオーバーによる肥満や、下痢・嘔吐などにつながることがあります。持病がある場合(腎臓など)は、獣医師に相談しましょう。
結論として、犬には犬用、猫には猫用のフードを与えることが基本です。 多頭飼いの場合は、食事の場所や時間を分けるなどの工夫をしましょう。
| 犬用フード | 猫用フード | |
|---|---|---|
| タンパク質量 | 猫用より少なめ | 犬用より多め |
| タウリン | 少量または無添加 | 必須として十分量を含有 |
| 脂肪分 | 猫用より控えめ | 犬用より多め |
| ビタミンA | 犬はβカロテンから変換可能 | 猫はビタミンAとしての摂取が必要 |
| アラキドン酸 | 犬は体内で合成可能 | 猫は食事から摂取が必要 |
フードの種類を知ろう:ドライ・ウェット・フリーズドライ・エアドライ

ペットフードにはさまざまな形状があり、それぞれにメリットと注意点があります。愛犬・愛猫の好みや生活スタイルに合わせて選んでみましょう。
ドライフード
もっともポピュラーなタイプです。水分含有量が約10%以下と少なく、保存性に優れています。カリッとした粒状で、噛むことで歯石の付着を多少抑える効果が期待できる場合もあります(ただし、歯磨きの代わりにはなりません)。コストパフォーマンスに優れ、給与量の調整もしやすいのが大きな利点です。
開封後は、酸化を防ぐためにしっかりチャックを閉じて、涼しく乾燥した場所で保管しましょう。
ウェットフード
水分含有量が約75%前後と高く、素材の香りや味わいが感じられやすいのが特徴です。食欲が落ちているときや、水分をあまり飲まない猫の水分補給としても役立ちます。
ただし、開封後は傷みやすいため、冷蔵保存のうえ早めに使い切る必要があります。また、グラムあたりのカロリーはドライフードより低いため、同じカロリーを摂取するにはより多くの量が必要になります。
フリーズドライフード
生の原材料を急速冷凍したあと、真空状態で水分を除去する「フリーズドライ(凍結乾燥)」製法で作られたフードです。一般に高温加熱の影響を受けにくい製法とされ、素材の栄養素や風味が損なわれにくい傾向があります(※製品により製造工程は異なります)。
水やぬるま湯で戻して与えることができ、生食に近い食感を手軽に再現できるのが魅力です。保存性もよく、軽量で持ち運びにも便利です。一般的にドライフードやウェットフードと比べると価格は高めですが、原材料の質にこだわったものが多い傾向があります。
エアドライフード
生の原材料を低温の風でゆっくり乾燥させる「エアドライ」製法で作られたフードです。フリーズドライと同様に高温加熱を避けることで、素材の栄養や風味を保ちやすいとされています。ジャーキーのような食感が特徴で、そのまま与えられる手軽さがあります。
トッピングという選択肢
総合栄養食であるドライフードをベースにしつつ、ウェットフードやフリーズドライ、エアドライ製品をトッピングとして加えるという方法もあります。食事のバリエーションが広がり、食いつきが良くなることもあります。
トッピングを加える場合は、その分ベースのフードの量を減らして、全体のカロリーが過剰にならないよう調整することが大切です。
| フードタイプ | 水分量(目安) | 保存性 | 素材の風味 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|
| ドライ | 約10%以下 | ◎ | ○ | 比較的手頃 |
| ウェット | 約75%前後 | △(開封後は冷蔵) | ◎ | 中程度 |
| フリーズドライ | 約5%以下 | ◎ | ◎ | 高め |
| エアドライ | 約15〜25%程度 | ○ | ◎ | 高め |
ライフステージ別のフード選び:子犬・子猫〜シニアまで
犬と猫は、年齢によって必要な栄養バランスが変わります。「総合栄養食」の中にもライフステージ別に設計されたものがありますので、愛犬・愛猫の年齢に合ったものを選びましょう。
子犬・子猫期(パピー/キトン)
成長期はたくさんのエネルギーと栄養素が必要です。パピー用・キトン用のフードは、成犬・成猫用と比べてカロリーが高く、タンパク質やカルシウム、リンなどの成長に必要な栄養素が多く含まれています。
小粒タイプやウェットフードなど、小さな口でも食べやすい形状のものを選んであげるのもポイントです。成長期のフード選びに迷ったら、獣医師に相談してみましょう。
成犬・成猫期(アダルト)
もっとも長い期間にあたるライフステージです。体の維持に必要な栄養バランスが整ったフードを選びましょう。この時期は、体重管理が大きなテーマのひとつになります。
避妊・去勢手術後は消費カロリーが減る傾向があるため、肥満に注意が必要です。体重の変化を定期的にチェックし、フードの量や種類を見直すことが大切です。
シニア期
一般的に、小型・中型犬や猫は7歳頃から、大型犬は少し早く5〜6歳頃からシニア期に入ると言われています。さらに猫は11歳以降、犬は大型犬で8歳頃、小型犬で10歳頃からはハイシニア(高齢期)として、より一層の配慮が必要になります。シニア向けフードは、加齢に伴う代謝の変化に配慮し、カロリーがやや控えめだったり、関節や被毛の健康維持に役立つ成分が配合されていたりすることがあります。
シニア期は持病を抱えている子も増えてくるため、フード選びは獣医師と相談しながら進めることをおすすめします。
成分表の「保証分析値」の見方
フードのパッケージに必ず記載されている「保証分析値」。数字が並んでいて、何を見ればいいのかわかりにくい……という方もいるかもしれません。ここでは、基本的な項目の意味をかんたんに解説します。
主な項目の意味
粗タンパク質は、フードに含まれるタンパク質の量です。筋肉や臓器、被毛、皮膚などの材料となる重要な栄養素です。「〇〇%以上」と表示されます。
粗脂肪は、フードに含まれる脂肪の量です。エネルギー源であるとともに、皮膚や被毛の健康維持、脂溶性ビタミンの吸収などに必要です。「〇〇%以上」と表示されます。
粗繊維は、フードに含まれる繊維質の量です。腸の動きを助け、消化の健康に関わります。「〇〇%以下」と表示されます。
粗灰分(かいぶん)は、フードを燃やした後に残るミネラル分の総量です。カルシウム、リン、マグネシウムなどが含まれます。「〇〇%以下」と表示されます。
水分は、フードに含まれる水の量です。「〇〇%以下」と表示されます。一般的なドライフードでは約10%以下、ウェットフードでは約75%前後です。
ドライフードとウェットフードの数値の比較に注意
保証分析値を見るとき、ドライフードとウェットフードの数値を単純に比較することはできません。ウェットフードは水分が多いため、数値上はタンパク質や脂肪の割合が低く見えますが、水分を除いた「乾物ベース」で計算すると、実際の栄養素の濃度がわかります。
乾物ベースの計算方法は、「タンパク質の数値 ÷(100 − 水分の数値)× 100」です。
たとえば、ウェットフードの粗タンパク質が10%で水分が75%の場合、乾物ベースでは 10 ÷(100 − 75)× 100 = 40% となります。同じように、ドライフードの粗タンパク質が30%で水分が10%なら、乾物ベースでは 30 ÷(100 − 10)× 100 ≒ 33% です。
この例では、パッケージの数値だけ見るとドライフードの方がタンパク質が多く見えますが、乾物ベースでは実はウェットフードの方がタンパク質の割合が高いことがわかります。フードの栄養価を正確に比較したいときは、この「乾物ベース」での計算を覚えておくと便利です。
フードの切り替え方:急に変えてはいけない理由

「新しいフードを試してみよう!」と思ったとき、ある日突然ガラッと切り替えていませんか? 実は、フードの急な切り替えは犬にも猫にもおすすめできません。
消化器官は、いつも食べているフードの消化に適応しています。急に異なるフードに変えると、胃腸がびっくりして、下痢や嘔吐、食欲不振などを引き起こすことがあります。これはフードの品質が悪いわけではなく、体が変化に追いつけないことが原因です。
切り替えの基本スケジュール
フードを切り替えるときは、7〜10日ほどかけて徐々に移行するのが一般的に推奨されています。目安としては以下のようなイメージです。
1〜2日目: 新しいフードを全体の25%程度混ぜる(現在のフード75%+新しいフード25%)
3〜4日目: 新しいフードの割合を50%に増やす
5〜6日目: 新しいフードの割合を75%にする
7日目以降: 新しいフードのみに切り替える
上記はあくまで目安です。お腹の弱い子やシニアの子は、もう少し時間をかけてゆっくり切り替えてあげるとよいでしょう。
こんなときは切り替えを一時停止
切り替え中に、軟便が続く、嘔吐する、食べなくなるなどの症状が出た場合は、いったん元のフードの割合に戻して様子を見ましょう。それでも改善しない場合は、獣医師に相談してください。新しいフードが体質に合わない可能性もあります。
「いいフード」は1つじゃない:うちの子に合うフードを見つけるために
インターネットで「ベストなドッグフード」「最高のキャットフード」と検索すると、さまざまなランキングやおすすめ記事が出てきます。でも実は、すべての犬猫に共通する「唯一のベストフード」は存在しません。
犬種や猫種、年齢、体格、活動量、アレルギーの有無、持病の有無、そして好みの味や食感——こうした要素は一頭一頭異なります。あるワンちゃんにとって最高のフードが、別のワンちゃんには合わないことも珍しくありません。
体調のサインを観察しよう
フードが体に合っているかどうかを判断する手がかりは、日々の体調に表れます。以下のようなポイントを観察してみてください。
毛並み・毛艶: 健康的なフードを食べている子は、被毛にツヤがあり、手触りがなめらかなことが多いです。毛がパサパサしたり、フケが増えたりしていないか注意しましょう。
便の状態: 健康的な便は、適度な硬さがあり、処理しやすい形状です。軟便や下痢が続く場合は、フードが合っていない可能性があります。逆に便が硬すぎる場合は、水分や繊維が足りていないかもしれません。
食いつき: おいしそうに食べているか、残さず食べているかも大切なチェックポイントです。ただし、食いつきだけでフードの良し悪しを判断するのは避けましょう。嗜好性が高いだけで栄養バランスが偏っているフードもあります。
体重の変化: 定期的に体重を測り、急な増減がないか確認しましょう。フードの給与量が適切かどうかの目安にもなります。
活力・元気さ: 適切な栄養を摂っている子は、年齢相応の元気さがあり、日常の活動に意欲的です。
迷ったら獣医師に相談を
フード選びに迷ったとき、アレルギーが心配なとき、持病がある子のフードについて知りたいときは、かかりつけの獣医師に相談するのがもっとも確実です。獣医師は愛犬・愛猫の体の状態を直接把握しているため、その子に合ったフード選びのアドバイスをしてくれるはずです。
まとめ:フード選びは「愛情の選択」

ペットフードの原材料表示やパッケージの情報は、最初は難しく感じるかもしれません。でも、基本的なルールさえ知ってしまえば、「何が書いてあるか」がちゃんと読めるようになります。
この記事のポイントをおさらいしてみましょう。
ペットフードは法律や業界ルールに基づいて表示されていること。原材料は使用量の多い順に記載されていて、先頭の原材料がそのフードの「主役」であること。「グレインフリー」「ヒューマングレード」「無添加」といった言葉は、正確な意味を理解して判断材料にすること。犬用と猫用のフードは栄養設計が異なるため、必ずそれぞれ専用のフードを与えること。フードの切り替えは急にせず、7〜10日かけてゆっくり行うこと。そして、「唯一のベストフード」は存在せず、うちの子に合うフードを見つけることが大切であること。
毎日のフード選びは、愛犬・愛猫への「愛情の選択」です。パッケージの裏側を読んで、「この子に何を食べさせたいか」を考える時間は、きっとペットとの暮らしをもっと豊かにしてくれるはずです。
mipetでは、ドライフード、ウェットフード、フリーズドライ、エアドライ、トッピングなど、さまざまなタイプの高品質なフードを取り揃えています。「うちの子に合うフードを探したい」「フードの種類や特徴について相談したい」というときは、ぜひお気軽にお問い合わせください。ペットフード販売士が在籍しておりますので、一緒にぴったりのフードを見つけましょう。
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