スーパーで買える食品を犬猫にあげるなら?|原材料表示のどこを見る
家族のごはんを買いにスーパーへ行った時、「これなら愛犬・愛猫にも少し分けられるかな」と思うことはありませんか。無調味の鶏肉や卵、野菜など、健康な犬猫が少量なら口にできる食材はあります。
ただし、「人間用だからダメ」と決めつける必要はない一方で、「人が食べられるから犬猫にも安全」とも言い切れません。同じヨーグルト、豆乳、鶏肉でも、砂糖や食塩、香辛料などが加われば別の食品です。
大切なのは、商品名や「無添加」「無糖」といった表面の言葉だけでなく、裏面を見て何が入っているかを確かめることです。この記事では、健康な犬猫へ少量のトッピングやおやつとして使う場面を想定し、表示を見るポイントを紹介します。
(療法食を食べている子、持病・食物アレルギー・肥満・消化器症状がある子は、自己判断で食材を足さず、獣医師へ相談してください。)
最初に見るのは、原材料名と栄養成分表示
スーパーの商品を選ぶ時は、次の順番で考えると分かりやすいです。
1.食材そのものが犬猫に安全か
まず、ぶどう・レーズン、チョコレートやカカオ、玉ねぎ・長ねぎ・にんにく・ニラなどのねぎ類、キシリトール、アルコール、カフェイン、マカダミアナッツは与えません。原材料が一つだけのシンプルな商品でも、食材自体が向かないことがあります。
2.原材料名に余分なものが入っていないか
犬猫に少量を分けるなら、肉なら肉だけ、野菜なら野菜だけのように、原材料がシンプルな商品は判断しやすいです。食塩、砂糖、シロップ、香辛料、調味料、ねぎ類、甘味料が加わっていないかを見ます。
3.栄養成分表示で脂質・食塩・カロリーを見る
食材として問題がなくても、脂質や食塩が多ければ、毎日や多量に与える食品には向きません。チーズは、生乳と食塩程度のシンプルな原材料でも、脂質と食塩が高い代表例です。
「無糖」は砂糖が入っていないという意味で、甘味料まで使われていないとは限りません。特に犬ではキシリトールを含む商品を避けます。「水煮」「無添加」「自然派」といった言葉も、それだけで犬猫向きとは判断できません。
商品名が同じでも、中身は違う
たとえば「鶏肉」という食材は、加熱して味付けをしていなければ少量の候補です。しかし、ハム、ベーコン、ソーセージ、サラダチキンは、食塩、砂糖、香辛料、調味料などが使われることがあります。
これは豆乳やヨーグルトも同じです。無調整豆乳は大豆と水が中心ですが、調製豆乳には砂糖、油、食塩、香料などが加わることがあります。プレーンヨーグルトでも、果物ソースや甘味料入りの商品は別に考えましょう。
「食材として使える」と「その加工品も使える」は同じではありません。裏面を見て、素材のままに近い商品かを確かめる習慣をつけましょう。
スーパーでの裏面チェック早見表

以下は、健康な犬猫へ少量を分ける場合の目安です。「少量の候補」は、毎日必ず足すという意味ではありません。初めての食材は一度に一種類だけにして、便、嘔吐、かゆみなどの変化がないかを見ます。
| 食材・商品 | 原材料表示で見るところ | 犬 | 猫 |
|---|---|---|---|
| 鶏むね肉・ささみ | 肉のみ。味付き・加工品は選ばない | 加熱して少量の候補 | 加熱して少量の候補 |
| 豚肉の赤身 | 肉のみ。脂身や味付けは避ける | 加熱して少量の候補 | 加熱して少量の候補 |
| 牛肉の赤身 | 肉のみ。脂身や味付けは避ける | 加熱して少量の候補 | 加熱して少量の候補 |
| 白身魚・鮭 | 生鮮の無調味品を選ぶ。骨を除く | 加熱して少量の候補 | 加熱して少量の候補 |
| かつお節 | かつおのふしのみ。味付き削り節・ふりかけは避ける | 少量の香り付けに | 少量の香り付けに |
| 卵 | 卵のみ。味付けせず十分に加熱 | 少量の候補 | 少量の候補 |
| プレーンヨーグルト | 生乳・乳製品中心、無糖、甘味料なし | 少量から。便が緩むならやめる | 積極的に足す必要はない |
| ギリシャヨーグルト | 無糖・無香料。ソースやはちみつ入りは避ける | 少量から | 積極的に足す必要はない |
| 豆腐 | 大豆・凝固剤程度。たれや薬味は使わない | 少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| 無調整豆乳 | 大豆・水程度。調製豆乳は別物 | 少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| 納豆 | 大豆・納豆菌程度。たれ・からしは付けない | 少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| 蒸し大豆 | 大豆のみ、食塩・調味料なし | 少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| 白米 | 米のみ。味付きごはんは選ばない | 必要に応じて少量 | 積極的に足す必要はない |
| オートミール | オーツ麦のみ。フレーバー・レーズン入りは避ける | 加熱して少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| さつまいも | さつまいものみ。焼き芋も味付けなし | 加熱して少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| かぼちゃ | かぼちゃのみ。ペーストは砂糖・バターなし | 加熱して少量の候補 | ごく少量なら候補 |
| にんじん | にんじんのみ。加熱すると使いやすい | 少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| いんげん | いんげんのみ。冷凍品も確認 | 加熱して少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| ブロッコリー | ブロッコリーのみ。ソース付きは避ける | 加熱して少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| きゅうり | きゅうりのみ。漬物は与えない | 小さくして少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| りんご | りんごのみ。種・芯を除く | 少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| りんごピューレ | りんごのみ。砂糖・シロップなし | 少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| ブルーベリー | ブルーベリーのみ。冷凍品も砂糖なし | 解凍して少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| いちご | いちごのみ。シロップ漬けは避ける | 小さくして少量の候補 | 積極的に足す必要はない |
| 冷凍野菜・冷凍果物 | 原材料が食材のみか確認 | 上の食材と同様 | 上の食材と同様 |
猫は動物性たんぱく質を中心に栄養が設計された食事が基本です。野菜、果物、豆製品などは、少量を食べられる場合があっても、健康のために積極的に加える必要はありません。「食べられる」と「その子に必要」は別のことです。
冷凍食品は“加工品だからダメ”ではない
冷凍ブロッコリー、冷凍かぼちゃ、冷凍いんげん、冷凍ブルーベリーなどは、原材料が食材だけなら選びやすい商品です。
加工されているかどうかではなく、何が加えられているかを見ることが大切です。ソース付き、バター入り、砂糖入り、シロップ漬けなどは、犬猫用には向きません。冷凍品も、解凍または加熱して、のどに詰まらない大きさにしてから与えましょう。
“体によさそう”でも、積極的に足さなくてよい食品
高野豆腐、乾燥しいたけ、ココナッツフレーク、ココナッツミルク、海苔、かつお節なども、原材料が一つであれば直ちに危険とは限りません。しかし、犬猫の健康のために積極的に足す必要がある食品ではありません。
ココナッツには中鎖脂肪酸を含むものがあります。ただし、ココナッツ製品を足せば特別な健康効果が得られるとは限りません。脂質とカロリーが高いため、使うなら無糖・無調味のものを少量にし、脂質の管理が必要な子や膵炎歴のある子には自己判断で与えないようにしましょう。海苔やかつお節は香りづけには使えても、毎日多く与える食品ではありません。乾燥しいたけは必ず戻して加熱し、ごく少量にします。
「原材料がシンプルだから使う」ではなく、「その子の食事に本当に足す必要があるか」まで考えられると安心です。
“赤ちゃん用”“ヘルシー”にも、確認が必要
ベビーフードや人用のスープは、やさしい印象がありますが、犬猫用とは限りません。玉ねぎ、オニオンエキス、にんにく、食塩、コンソメなどが使われていることがあります。
同じように、低糖質、砂糖不使用、植物性、オーガニックといった表示だけで判断はできません。犬猫にとって安全かどうかは、流行の言葉ではなく、原材料名と栄養成分表示で決まります。
トッピングも、毎日の食事の一部
健康によさそうな食材でも、ヨーグルト、卵、さつまいも、果物、チーズなどを少しずつ重ねれば、カロリーは増えていきます。
総合栄養食を主食にしている犬猫では、トッピングやおやつを合わせても、1日の摂取カロリーの10%未満をひとつの目安にしましょう。トッピングが増えるほど、主食として整えられた栄養バランスも崩れやすくなります。
特に、腎臓病、心臓病、膵炎、尿路疾患、糖尿病、食物アレルギー、肥満などがある子は、一般的には使える食材でも合わないことがあります。療法食の子に何かを足したい時は、先に主治医へ確認してください。
まとめ|一緒に食べる楽しみは、裏面を見るところから
スーパーには、愛犬・愛猫にも少量なら使いやすい無調味の食材があります。飼い主さんの食事を選ぶ時に、その子の分も少し考えられると、お買い物がいっそう楽しくなるかもしれません。
そのために大切なのは、「人間用だからダメ」「無添加だから安心」と一言で決めないことです。まず食材自体が犬猫に安全かを確認し、原材料名を見て、脂質・食塩・カロリーを確かめる。そして、その子に必要な量かを考えましょう。
裏面を読むひと手間があれば、家族みんなで食事を楽しむ選択肢は、もっとやさしく広がります。
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