犬猫はなぜ前足でちょんちょんする?|かわいい仕草に隠れた気持ち
作業をしていると、前足でちょん。ごはんの前に、もう一度ちょん。愛犬・愛猫がそっと触れてくる姿に、思わず手を止めてしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。
前足でちょんちょんする行動には、「こっちを見て」「何かしてほしい」「気になる」といった気持ちが表れていることがあります。ただし、犬と猫では背景が少し違い、いつも「甘え」や「遊びたい」の意味とは限りません。
この記事では、犬猫が前足で触れてくる時に考えられる気持ち、しぐさを読み取るヒント、やり取りを心地よく続けるためのポイントを紹介します。
「ちょん」は、注目してほしい時の合図かもしれません
犬や猫は言葉の代わりに、視線、声、しっぽ、体の向き、そして前足を使って気持ちを伝えます。
前足でそっと触れる時には、次のようなことを伝えようとしている場合があります。
– なでてほしい、そばにいてほしい
– 遊びたい
– ごはんやおやつ、散歩などを期待している
– 手元のものが気になる
– 今していることを止めてほしい
大切なのは、前足だけを見て意味を決めないことです。触れてきた時刻、直前に何があったか、表情やしっぽの動きまで合わせて見ると、その子の言いたいことが少し分かりやすくなります。
犬が前足を出す時に、考えられること
犬が飼い主さんの膝や手へ前足を置く時は、注目を引きたい、関わってほしいという気持ちが表れていることがあります。
遊びの途中に前足で触れるなら、「まだ遊びたい」。ごはんの準備をしている時なら、「もうすぐかな」。ソファでくつろいでいる時にそっと足を乗せるなら、「ここにいるよ」と伝えているのかもしれません。
一方で、犬が前足を出すのは、少し落ち着かない時や、相手との距離を調整したい時にも見られます。知らない人に何度も前足を出す、体がこわばっている、顔をそむける、耳を伏せるといった様子があれば、無理に触れ合いを続けず、少し距離を取る方がよいこともあります。
「お手」ができる犬では、前足を出すことで人が反応してくれる経験を重ね、日常でもこのしぐさを使うようになることがあります。前足で触れるたびに必ずおやつを出すと、要求のための行動として強くなりやすいため、応える時と応えない時のルールを家族でそろえると安心です。
猫の前足は、好奇心と狩りの動きにもつながっています
猫は、気になるものを前足でそっと触り、動くかどうかを確かめます。ひらひらする服のすそ、机の上の小物、水面、飼い主さんの手などをちょんちょんするのは、好奇心や遊びの一部として見られることがあります。
おもちゃを前足で引き寄せたり、動くものへ手を伸ばしたりする動きは、獲物を追い、つかまえる行動にもつながっています。猫がこちらを見ながら軽く触れてきた時は、「遊ぼう」と誘っているのかもしれません。
もちろん、猫も犬と同じように、なでてほしい、気づいてほしいという時に前足を使うことがあります。眠る前やくつろいでいる時にそっと手を置くなら、飼い主さんのそばで安心しているサインの一つとも考えられます。
かわいい「ちょん」でも、やめてほしい時があります
猫が前足で触る時は、必ずしも「もっとなでて」の意味ではありません。
なでられている最中に、手へ前足を置く、軽く押し返す、しっぽを大きく振る、耳を横や後ろへ向ける、皮膚がぴくぴく動く。このような時は、「今はもう十分」「少し休みたい」という気持ちが表れていることがあります。
犬でも、体を引く、顔をそむける、あくびをする、耳を伏せるなどのサインと一緒に前足を出す時は、触れ合いをいったん止めて、選ばせてあげましょう。
前足が出たら「甘えている」と決めつけず、その子が近づいてくるか、離れようとするかを見守ることが、心地よい関係につながります。
爪を立てる、急に強くたたく時は?
遊びの途中に猫が爪を立てる、犬猫が急に強く前足を出す場合は、興奮が高まりすぎていたり、怖さや不快感を伝えたりしていることがあります。
手をおもちゃのように動かして遊ぶと、人の手へ飛びついたり、前足を出したりする習慣につながりやすくなります。遊びたい気持ちは、猫じゃらしやボールなど、手から離れたおもちゃで受け止めましょう。
急に触られることを嫌がるようになった、特定の場所へ触れると前足で払いのける、うなる、噛もうとするといった変化があれば、痛みや体調不良が隠れていることもあります。無理に確かめず、動物病院へ相談してください。
その子の“ちょん”に、答えてみよう

前足でちょんちょんしてきた時は、まず何を伝えようとしているのか、少し立ち止まって見てみましょう。
遊びに誘っているようなら、短い時間でも一緒におもちゃで遊ぶ。散歩の時間が近いなら、落ち着いてから準備する。そばに来てほしいだけなら、やさしく声をかける。今は関われない時でも、無視を続けるのではなく、「あとでね」と穏やかに対応することで、その子も見通しを持ちやすくなります。
すべての要求にすぐ応える必要はありません。それでも、しぐさの意味を考え、落ち着いてやり取りを続けることが、犬猫にとって「伝えても大丈夫」という安心につながります。
まとめ|前足で伝える、その子なりの言葉
犬猫が前足でちょんちょんする時には、甘え、遊び、期待、好奇心、距離を取りたい気持ちなど、さまざまな理由があります。
大切なのは、前足の動きだけを見て「かわいい甘え」と決めないことです。しっぽ、耳、表情、体の向き、その前後の出来事まで見ると、その子なりの気持ちが見えてきます。
言葉はなくても、犬猫は毎日たくさんのことを伝えようとしています。ちょん、と触れてきた小さな前足をきっかけに、今日もその子の声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
この記事が参考になったら、「いいね」で教えてください
その他のコラム
Other Columns
-
犬・猫が食べてはいけないもの|「なぜ危ないか」まで知る、いざという時に守れる知識
-
「お散歩」「ごはん」って本当に分かってる?|犬の“言葉の理解”
-
なぜ犬はミミズやおやつに体をこすりつける?|犬の“匂いをまとう”不思議な行動
-
秋のノギ(草の芒)に注意|散歩あとで見つけたい、小さなトゲの危険
-
犬猫はなぜ草を食べたがる?|“吐くため”だけではない植物を食べる理由
-
スーパーで買える食品を犬猫にあげるなら?|原材料表示のどこを見る
-
うんちが少ない=消化吸収がいい?|犬猫の便から分かること、分からないこと
-
食べたものは何時間後にうんちになる?|食後すぐ出るうんちの正体
